新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は協働事業やプロジェクトに関わらせて頂き『芸術』と社会の関わり方について深く考えた1年でした。

芸術にはふたつの軸がありひとつは伝統的な技法の継承や文化の保存を中心に専門性を高めていく軸、ふたつめは芸術の新たな可能性を革新しその領域を広めていく軸です。どちらも大切な軸でありプロジェクトに関わる私たちは双方を意識しながら研究、実践を行っています。これからの時代はますます科学技術が発展し『ひとがひとらしくあること』を意識的でなくてはなりません。芸術は一握りの専門家を育てる教育や研究だけでなく芸術がもつ価値や意義を様々なひとと共に育むことで人が創造力をもち生きる社会をつくることができると思います。

『芸術』に何ができるのか、『豊かさとは』そのような問いに芸術を志す方々、芸術に関わる方々、また異領域の方々と切実に向き合ってまいりたく思います。また今年は芸術が社会の基盤となるよう、特に教育面では様々な展開をしてまいります。

本年も皆様にご尽力頂きながら邁進してまいります。どうぞ宜しくお願い致します。

一般社団法人おとのもり芸術文化振興協会　代表理事　佐伯佐和子