このフェスのメインイベントである『スペシャル・コンサート』へ。会場は最上階のメインホール。まず壁に埋め込まれてるかのようにそびえ立つパイプオルガンが神々し過ぎて圧巻。そしてその下のステージにはグランドピアノはもちろん、お琴やらギターアンプやらエフェクターやらシンセやら何やらメカメカしい様子。たまらん。MacBookなんかパッと見ただけで4〜5台は置いてある。鼻血でそう。

コンサートは前半と後半に分かれていて、全アーティスト凄すぎでしたが、私自身が弦楽器をやってて機材大好きマンなこともあり、まず八木美知依さんのエレクトリックなお琴に衝撃。ルーパー使ったりピッチシフター使ったり、ワクワクとまりません。
からの、ノルウェーのプンクト軍団と藤倉大の即興演奏。
このプンクト軍団ってのは、ノルウェーで開催されてる即興音楽祭でライブリミックスをコンセプトとした『プンクト・フェス』ってのがあって、藤倉大さんがそのフェスに出演された時に仲良くなって連れてきはったヤバい人たち。まじ全員ヤバすぎるんですが、まず引き込まれるのがヤン・バングの即サンプリング術。まじで魔術師かよってなる。さっきまで他人が生演奏していた琴やトランペットなどを録ってその音源を武器に即興演奏してはる。しばらく、いま何が起こってるのか理解できない。こんなにドキドキするライブ、なかなか観られないです。

後半は世界的に活躍されてるギタリストの佐藤紀雄が率いる『アンサンブル・ノマド』と子ども達から。ピアニカ、ハンドベル、ウッドブロックなど色んな楽器とギター、ピアノ、琴などと室内管弦楽団の大合奏。
これはもうきっと、あの空間にいた演奏者、お客さん、スタッフなど含め、全ての人が笑顔だったと思う。最高かよ。

あとは他にもなんかNHKドラマ『あまちゃん』の音楽作ってた大友良英さんの新作が聴けたり、坂本龍一のアルバム『a sync』にも参加したらしい三味線のすげぇ人の演奏があったり、N響の首席ホルンらしいすげぇ人がひたすら変な音出してたり、すげぇ時間だった。

はい、私はもう正直この時点でお腹いっぱい胸いっぱい脳みそぱんちくりん状態だったので、ちょっと脱出。近くのスタバでコーヒー飲んで回復してから『プンクトの部屋』へ。
この部屋はさっきのスペシャルコンサートでヤバすぎパフォーマンスを披露してくれたプンクト軍団オンリーの貸し切りタイム。満席で私は立ち見だったけど、60分ちょいのパフォーマンスは本当にあっという間だった。来年マジでノルウェー行きます私。本家のプンクトフェス、観に行かなきゃこれは。本当に感激した。

それから地下1階の2か所でやってる『電子音楽の部屋』へ。ここでは色んな電子音楽が、まったり聴けます。11時〜19時までずっと音楽が流れていて、入退場自由。ここの音楽を、我らが大先生『檜垣智也』教授が選曲なされたとのことで。しゅてき。抱かれたい。

そして19:00から閉館21:00のラストまでは『大人ボンクリ』の時間。これね、薄暗い大ホールで、電子音響音楽が爆音でひたすら流れてるの。みんなお酒飲んで、混沌と、静かに微睡んでるの。や、これ、マジでパッと見、めちゃくちゃ怪しい洗脳系のセミナーか何かだと思うぐらい、景色も音楽もヤバい。あんな贅沢、なかなか無いよマジで。

そんなこんなで、想像を遥かに超える濃密さだったボンクリフェス2019でした。本当に価値観ブチ広げられてしまいます。現代音楽とかよく分かんなくて良いです。ただ純粋に『これ何の音？』みたいな、少年のような知的好奇心を少しだけ持ってきてもらえるだけで、めちゃくちゃ楽しめるようになってますこのフェス。ちょっとでも気になった人は来年ぜひ。